接近から流します

右から左に流す日々

エリートが嫌いだとしてもその逆は好きになれない理由

 マジでただの愚痴なのだが、知的なエリートの傲慢さを嘲弄することが好きな人なり共感する人はきっと多いんだろうと思う。自民党の(語義的には明らかな誤用だが)反知性主義的態度に喝采を叫ぶ人は多いんだろうし、アメリカでトランプが労働者階級に支持される理由もそういう部分に関係している部分はあるんだろう。実際、自分も恵まれた環境とは言い難い状況だったので、右派的な反エリート的言説に共感できる部分もまあまああるのは確かである。

 

 しかし、私はその逆の立場による傲慢な態度も大嫌いなのだ。ガテン系だろうが職人系だろうが体育会系だろうが全部共通することだが、こういう連中の「見て覚えろ」式な感覚経験頼りで全てを判断するやり方も真面目にゴミというか、真面目にこの莫迦共がバカにしている動物未満のやり方としか思えないわけだ。

 例えば、ホモサピエンス式な見て覚えろ教育は「全く指導していない」ことについて叱り飛ばすという狂った内容なのが多いわけだが、他の動物の教育法でそのような狂った方法は現状確認されてはいない。例えば、多くの頭の悪い人間が「チンパンww」とバカにしてるチンパンジーについては、ホモサピエンスと同様に教育方法が「見て覚えろ」式ではあるが、その教育方法はホモサピエンスよりも遥かに素晴らしいとしか言いようがない。以下、引用する。

 

チンパンジーの学習って、人間みたいに手取り足取り教えてもらうということがないんですよね。親は手本を見せるだけで積極的に教えるわけではないんだけれども、子どもが何かしようとすると、非常に寛容に優しく、いや、優しくというか、拒否はせずに黙って手本を見せ続けるっていうのがチンパンジーの母親、親のあり方だと。松沢先生なんかに言わせると、師弟教育、ですね」

 

natgeo.nikkeibp.co.jp

 

 ホモサピエンスが他の動物と比較して秀逸だと言われていることは、「見て覚えろ」式教育から、必要な事を明文化してマニュアル化し、それを中央集権的に平均化して教育できるところにある。

 しかし、大概の会社というのはこれができていない。自衛隊の教育システムが如何に素晴らしいかについては前回の記事で書いたが、大概の職場では「見て覚えろ」&「できなきゃこき下ろしてやる」&「教えてないけどわかって当然」という非常に愚劣で蒙昧な指導システムとなっている。そしてそういう頭の悪い組織構造を一切省みる気もなく、入ってきたばかりの人間をこき下ろして悦に浸ってる老害を再生産しているのが現状なのだ。

 

votoms13votoms.hatenablog.com

 言ってみれば、日本に存在する殆どの会社の教育システムは、チンパンジーらの動物よりも明らかに劣っている。にもかかわらず、ホモサピエンスの特性として「教育」を挙げられるのは全く納得がいかないわけだ。まして、ガテン系にしろ職人系にしろ脳に「ロゴス」が入ってない体育会系の連中が、エリート批判をしているのをみてるとへそで茶を沸かすようなもんだと思う。

 娘に四則演算すら教えられない親とか恥ずかしいとか思わないのだろうが、こういう連中が職場がイニシアティブをとってろくにまとも教育もできない職場を形成していることがそもそもの問題なんじゃないかと私は思っている。

 

 世の中の後継者不足で悩む職場の99%はまず自分たちの職場が「まとも」なのかどうか考えてから若者を批判すれば良いんじゃないだろうか。

 少なくとも、あんたら人間を名乗る資格なんて無いよ。